予言する幻獣・件(くだん) -真があって運の尽き-

百科事典全26巻読破のビブリオマニア・麻理の心の琴線に触れたセンス・オブ・ワンダー(コラム&日記)
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真があって運の尽き

予言する幻獣・件(くだん)

【カテゴリ:センス・オブ・ワンダー】 | |
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(くだん)の用件よろしくお願いします」なんてのは、社会人なら誰でも使ってる言葉ですね。「以前述べたこと、例のこと、いつものこと」などという意味です。

また「よって件の如し」と文書の最後に書いたりもします。こちらの場合は「以上述べた通りです」ということ。ところで「」ってなんだかご存じですか?

件(くだん)とは体がウシで、顔が人間という怪物。件が生まれると大きな災いかおめでたいことが起こると言われます。また件は未来のことを予言できるのですが、その予言は決してはずれることがありません。

第二次世界大戦中にも件が現れて、「日本は負ける」と予言したというのは有名な話。『日本幻獣図説』(湯本豪一)によると1836年に丹波国(京都府)に出現してその年は大豊作になり、1867年雲州(島根県)に件が生まれた時は豊作と疫病を予言したと言います。

日露戦争を予言した件が剥製になって私設博物館に展示されていたこともあるそうですよ。ネットを調べてみるとどうも長崎市の八尋博物館という場所らしいのです。残念ながら現在は閉館しているので件の剥製がどこに行ってしまったのか分かりません。

それとは別物ですが『日本幻獣図説』に載っている件のミイラの写真は不気味そのもの。仔ウシの体に、しわくちゃの人間のような顔を持っています。また別の写真では小さく丸めたウシの体に顔をしかめたような人間の首が乗っかっています。奇形の仔ウシか、はたまた見世物のために職人が加工したものなのか。

日本各地には件のミイラや剥製が見世物となっていた記録が残っています。確かに不思議なもの好きの心をくすぐるような奇妙な魅力があるんですよね。長崎にあったという件の剥製はひょっとしたらどこかの好事家がひっそりとコレクションにしているのかもしれません。 

さてその件、人間の言葉で予言をするとすぐに死んでしまうのです。件の姿を見た人はその災いから逃れられるのですが、すぐに死んじゃったら件を見逃してしまった大勢の人は困ってしまいますよね。

でもご安心を。件の絵を見たり、家に貼っておけば家内安全、商売繁盛になるそうなんです。災い転じて福と成す。左上に私が作った件の写真を貼っておきます。このサイトもどうぞ安泰でありますように。フォトショップで作った合成画像でも大丈夫よね。きっと。【麻理】


日本幻獣図説日本幻獣図説
湯本 豪一

河出書房新社 2005-07-21
■著者は川崎市市民ミュージアム美術館担当室長。その展覧会から生まれた本。写真や絵がふんだんに使われていて、人魚、鬼、河童など幻の獣たちを詳しく知ることができる。


今日のサイト


KEWPIE 80TH ANNIVERSARY

大迫力の映像。赤ちゃんなのに80歳なんだね。

初出:2005年 10月 10日

再掲載:2013年11月13日

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