ロシア人はトイレで紙を使わない!? -真があって運の尽き-

百科事典全26巻読破のビブリオマニア・麻理の心の琴線に触れたセンス・オブ・ワンダー(コラム&日記)
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ロシア人はトイレで紙を使わない!?

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ロシア人はトイレで紙を使わないって本当ですか!? 彼らが排泄時に紙を使わないことについて米原万里氏は『パンツの面目ふんどしの沽券』のエッセイ「ルパシカの黄ばんだ下端」で様々な文献を引用して述べています。

ロシア人はトイレで紙を使わないって本当ですか!? 彼らが排泄時に紙を使わないことについて米原万里氏は『パンツの面目ふんどしの沽券』のエッセイ「ルパシカの黄ばんだ下端」で様々な文献を引用して述べています。

昨日ご紹介した米原万里氏は、以前語学コラムでご紹介した『わたしの外国語学習法』の翻訳者として有名で、ロシア語通訳協会の会長も務めたことのある優秀な同時通訳者です。また講談社エッセイ賞、大宅壮一ノンフィクション賞など数々の文学賞も受賞している名エッセイストでもあります。

こう書くと、なんだか真面目一本の人に見えるんですが、彼女の大好物は駄洒落と下ネタ。『パンツの面目ふんどしの沽券』も下ネタ満載。それでも下品になりすぎないのは米原氏の知性と教養の成せる技。

米原氏の公演で出会った翻訳者・長勢了治氏はソ連抑留者問題についての研究者でもあります。彼が資料をあたったところ、たくさんの日本人捕虜たちが抑留先で困った問題が、便所の紙がなかったことだそうで。体験者が抑留時代を書いた文献には「紙がない」の声があふれています。
下の話のついでに言えば、ソ連兵はチリ紙を使用しなかった。それが彼らの習慣なのか、それとも当時の深刻な紙不足からきた生活の知恵なのかは聞きもらしたが、用便後さっと立ち上がってズボンをあげる。カンボイ(警備兵)はラーゲルの便所を使用するので、この光景にはしばしばおめにかかった。私の観察したところ、将校も中尉までは大体同様だった。食物の相違なのか、彼らのものは私たち日本人より硬いせいもあるが、それにしても不潔千万である。
(鈴木省五郎『ダワイ・ヤポンスキー』の引用『パンツの面目ふんどしの沽券』より)
当時のソ連人は全く紙を使わず、用をたしたらそのままズボンを上げて終了。手も洗わない。しかもパンツを履いていないので、ルパシカ(ロシアのシャツ)の下の端が黄ばんでいたという証言も。

ちょっ。待っ……。そ、それどういうこと? 今のロシアはさすがに紙を使ってるかもしれませんが、エッセイを読んで愕然としました。

うーん、でも庶民が紙を使えるようになったのはつい最近のことだろうし、世界には紙が贅沢品という地域もあるのだからそういうこともあるのかな。いや、それにしても……。

世界はワンダーランドだなあ、まだまだ私が知らないことがたくさんあるのだなあと思いました。カルチャーショックを受けるのも、読書の楽しみの一つですね。

『パンツの面目ふんどしの沽券』には、他にも「イエス・キリストが履いていたのはパンツかふんどしか腰巻か」「生理用品が商品化されていない時代、女子は毎月どうしていたのか」「パンツやブラジャーなどの既製品が出回ったのはいつごろか」など興味深いエッセイが満載です。勉強になるなあ。

パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫)パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫)
米原 万里

筑摩書房 2008-04-09
■思わず人に話したくなる、驚愕の事実が満載。翻訳者、通訳者としても一流だけど、エッセイストとしても一流だ。


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再掲載:2013年11月10日

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